コーノ式ネルフィルターによる松屋式ネルドリップコーヒー

以前、行きつけの自家焙煎珈琲豆屋「まめまめ」(http://www.mamemame-coffee.com/)のオーナーから、試してみてということで、あるモノをもらっていました。日記に書こう書こうと思いつつ、ドリップ中の写真を撮っていなかったので、ずるずると今日までのびてしまいました(^^;

ということで、ようやく日記掲載です。

で、何をもらったかというとこういうものをもらっておりました。

 

「コーノ式ネルフィルター」

コーノ式ドリッパーと呼ばれる円錐型のドリッパーがあります。
(コーノ式ドリップとはなんぞやという人は以下の参考リンクをどうぞ)

<kono式は、なぜ美味しいコーヒーが淹れられるのか? >
http://www.inoha.jp/kono.html

コーノ式ドリッパーでは通常円錐型のペーパーを使いますが、これはそのペーパーの代わりに使うことができる円錐型のネルフィルターなんです。

と、言ってもウチにはコーノ式ドリッパーはありません。
私は松屋式ドリップ派なので写真の右側に写っている松屋式ドリップ用の金枠に今回のネルフィルターを使います。
このコーノ式ネルフィルターは、ワイヤーが中に入っているので、ちゃんと丸く開くように工夫されています。そして、なんと言っても松屋式ドリップ用の金枠にジャストフィットするということ。それに使い慣れた松屋の金枠を使えるというのは使い勝手の面から言っても良いですね。

松屋式ドリップとはなんぞやという人は以下の参考リンクをどうぞ)

松屋式ドリップを極める・動画:Flavor coffee>
http://www.flavorcoffee.co.jp/2f/2f-6.html

 

松屋式金枠にセットした状態>

松屋式の金枠にセットするとこんな感じです。このサイズだと2杯出し用となります(説明書には1〜4杯って書いてありましたが、4杯はサイズ的にさすがに無理だろうと思います。。。)。

ちなみに、ウチでは通常2杯出しの場合、松屋式の金枠にコーノ式ドリッパー用の円錐型ペーパーフィルターを使っています。

 

<kono:円すいペーパーフィルター>

まあ、ペーパーフィルターだとネルフィルターと違って手入れする必要もなく、使い終わったらぽいっと捨てられるので手軽っちゃー手軽です。


では、コーノ式ネルフィルターを使った松屋式コーヒードリップの開始です。

 

<コーヒー豆の粉を入れたところ>

ペーパーフィルターとネルフィルターの違いとして、差したお湯の通りが違います。ペーパーの方は粉が紙の繊維の目につまりやすく、お湯の通りが良くありません。一方、ネルフィルターはネル自体に厚みがありますので、目詰まりしづらく、お湯の通りが非常に良いのです。そのかわり、お湯の通りが良すぎてしまい、ドリッパー内に差したお湯がとどまる時間が短いため、コーヒー液の抽出時間が短くなりあっさりした味になってしまいます。
なので、ペーパーの時は目詰まりが起きにくいように豆を荒めに挽き、ネルの時は豆をペーパーの時より細かく挽き、両者のコーヒー液の抽出時間をそろえることで、同じ珈琲の濃さになるようにするのです。

 

<注湯>

松屋式ドリップの最大の特徴は、その蒸らし時間にあります。
通常ドリップコーヒーの蒸らし時間は30秒前後とか言われますが、松屋式ドリップでは、蒸らしのための注湯を丁寧に行い、綺麗に全体的にお湯が染み渡るようにします。

 

<蒸らし>

そして、蒸らし時間は3〜5分。2分の幅は、珈琲豆の焙煎度合い等によって変えます。
松屋式での蒸らしの概念は、焙煎によって豆の内部に炭酸ガスが発生するので(粉にお湯をかけると出てくる泡)、そのガスが出ている間はお湯が粉の中に浸透しづらく、珈琲液が抽出しづらい。このため、このガスが抜けきるのに必要な時間が3〜5分という訳です。
ちなみに、焙煎時に深煎りするほど豆の内部のガスの量が増えるので、深煎り豆ほど長く蒸らす(5分位)必要があります。
で、さらに蒸らしを促進するために蓋をして、中の湿度を高く保つようにしておきます。

 

<抽出1>

3分の蒸らしが終わったら、これまた丁寧にお湯を差していきます。すでに蒸らしでガスがほぼ出きっているので、お湯を差しても泡はほとんど出てきません。丁寧に丁寧にコーヒーの層を壊さないようにお湯を差していきます。

 

<抽出2>

松屋式のもうひとつの大きな特徴として、抽出を半分の量で終了するということです。
たとえば、今回は2杯出しなので、抽出は1杯分でやめます。
これは、長い蒸らしによって、差したお湯は粉に浸透しやすく、とても濃いコーヒー液が抽出されます。

 

<お湯割り>

この濃いコーヒー液をお湯で2倍に割ります。これで普通の濃さのコーヒーの出来上がりです。

なぜ、お湯で割るのか。

これは、濃いコーヒー液を抽出したからというのもありますが、コーヒーの特徴として、豆には甘み、苦み、酸味など美味しいうまみ成分と渋みや嫌な苦みなどのまずい成分が同居しています。そして、コーヒーのうまみ成分は、お湯に溶けやすく、まずい成分はお湯に溶けにくいという特徴も持っています。
このため抽出工程における前半部にうまみ成分が溶け出し、後半部にはまずい成分が溶け出し始めます。
このうまみ成分だけを取り出す事が出来れば、美味しいコーヒーが出来る訳です。

そこで松屋式ドリップでは、蒸らしを長くしてうまみ成分を抽出しやすい環境を作り出し、前半で一気にそのうまみ成分を抽出。そして後半のまずい成分が出始めるときに抽出を終了し、残りはお湯で割ることで後味がすっきりとした旨いコーヒーが出来上がります。

ちなみに、よくコーヒーが冷めると不味いという事がありますが、これは入れたての熱い時も不味かっただけで、コーヒーが熱いので舌が不味さを感知できなかったため、すこし冷めると不味さを感じるのです。
なので、松屋式などできちんと抽出したコーヒーは冷めても美味しいのです。

 

松屋ネルドリップ完成>

というわけで、松屋ネルドリップコーヒーの完成。
やはり、ペーパーとの最大の違いはそのまろやかさでしょうか。
とてもまろやかな舌触りです。

まあ、どちらが良いかというのは個人差というか好みが分かれるので、ペーパーだろうとネルだろうと旨いもんは旨いんです(笑)


で、ここからはカメラの話題(笑)

上の写真は、ストロボ無しで窓からの光をバックに撮っています。
一応、手前にはレフ板代わりに子供のお絵描き用の画用紙で、影になる部分に光を当てて、暗くなりすぎないようにしています。
また、逆光になるので、露出をオーバー目にしています。

 

松屋ネルドリップ完成:ストロボ天井バウンス>

この写真は、ストロボを天井に当てて撮っています。
全く別の写真になってしまいました(笑)
これはこれで、これだけ見れば良いんですが、ストロボ無しの写真のほうが窓からの光を受けて逆光気味のキラキラした感じの方が、今回のような雰囲気の写真の場合良いように感じます。
とはいえ、部屋撮りで窓からの光自体が午後過ぎの光なので弱く、ストロボ無しだとISO感度は800になってしまっています。
(ストロボ有りはISO感度は200)

 

松屋ネルドリップ完成:ストロボ天井バウンスその2>

で、窓からの光も考慮に入れて、ちょっと角度を変えながら撮ってみました。

まあ、なんとなくそれっぽくはなりましたが、窓が遠すぎですね(^^;
最終的な判断としては、写真を撮ってる場所が悪い(笑)

こういうときは、素直に窓際に持っていくのが正解でしたね。


ま、そんなこんなで、午後の珈琲時間でした。