塩漬け資産の有効活用

週末行われる金融サミットで麻生さんは塩漬けとなっている外貨準備高からIMFに出資をするというのを提案するそうです。
額がでかいだけにニュース等でどう扱われているのか、見てないのでよくわかりませんが、今回は非常に良い提案です。

(で、今回のIMFへの提案のポイント)

10000億ドル規模となるドル建ての外貨準備からドル建てで1000億ドルをIMFに拠出します。
このドル建てというのがポイントで、今のドル安円高の状況では、この日本が持っているドル建ての外貨準備金は円に換金も出来ないし、とにかく塩漬けにしておくしかない資産なんです。この塩漬けの資産をIMFを通じ融資する事で今回の金融危機に役立てようというもの。
以前のアジア通貨危機の時に韓国に直接融資してしまったがために、数千億円が踏み倒されましたが、今回はIMFを通じて困っている国に支援することになるので、IMFが各国への融資や取り立てをしてくれます。
そうなんです、IMFへの融資なので、最終的には日本に返ってきます。

しかも、最近のIMFってのがすごいらしく、世界最強の取り立て屋の異名をもつそうですから、きちんと利子付けて返してくれるそうです。まあ、内政干渉してでもやるので、やり方はかなりえげつないらしいです。このため、融資された国は逆にボロボロになるケースもあるらしく、この辺が一長一短のような気もしている部分です。ようするにIMFの基軸国である米国に占領(植民地化?)されてしまうに等しい状況になるので、本当にそれでいいのか?という疑問も個人的には感じていたりもします。

ともあれ、今回の金融危機を期にIMF自体も本当の意味の国際機関として変革できればいいのかなと思っています。


<日本政府、IMFに10兆円拠出 働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww >
http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-1598.html

<日銀砲:ままならねーことこのうえねー>
http://blogs.yahoo.co.jp/variableannuit/49875324.html

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IMF出資金、麻生首相が6400億ドルに倍増を提案へ=金融サミットで政府筋>
(ロイター - 11月14日 06:43)

  [東京 14日 ロイター] 日本の政府関係者によると、14、15日にワシントンで開かれる緊急首脳会議(金融サミット)で、麻生太郎首相が国際通貨基金の出資金の総額を現在の3200億ドル程度から6400億ドル程度に倍増することを提案する。ロイターに対して明らかにした。

 IMFの増資により、金融危機などの影響を受けている新興国に必要な支援を迅速かつ適切に行える体制を整備することが狙い。麻生首相は増資実現までの当面の対応として、IMFに対して日本の外貨準備から最大1000億ドル(約10兆円)の資金拠出を行う用意があることも金融サミットで表明する。


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<丹羽経済政策の概略>
http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/framepage1.htm

1) 日本経済は需要不足である。(潜在GDPは880兆円、現実のGDPは480兆円、すなわち400兆円のデフレ・ギャップが生じている。これは稼働率が60%弱である事を示している。(逆算するとすぐ分かります。480×100/60=800)小泉政策は、日本経済は需要側ではなく供給側に問題ありという前提で政策を進めている。この事は倒産・失業を増大させ却って経済を縮小させるものであり、この政策の行き付く先は外資への日本売渡しとなります。

2) 現下の不況を克服するには金融政策では無理で、財政政策が必要です。しかし国債発行は問題が多く、国民や市場の納得を得にくい。両方を満足させる政策が政府貨幣発行です。(ただし国債発行を財源とする財政拡大政策でもかまわない)

3) 日本経済が5%成長に達するまで銀行からの債務履行を凍結し、その間の債権は全額政府が保証する。その財源は政府貨幣の間接的発動による財源による。多額の債務を抱える個人・法人は政府の間違った経済政策の犠牲者であり、政府の適切な需要管理があれば経済的困難に陥る事はなかったのである。従って支払いの凍結要求には合理性がある。

4) 『通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律』(昭和六十二年六月一日法律第四十二号)第4条により、450兆円の政府貨幣発行権限証書を1枚作成し、日銀の発行する400兆円の保証小切手1枚と交換して、それを財源とする。

5) 政府貨幣発行は、倫理の喪失の危機を招くのではなく、何もしないことが却って失業者の増大と、犯罪を増やし、国民の倫理観を崩している。

6)低成長率での不良債権は政府の責任である。高成長率下での不良債権は企業の責任である。

一度、ホームページに掲げてある丹羽経済学博士の論文をお読み頂きたいと思います。http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/