SILKYPIX Developer Studio 3.0

使い始めてから、半年くらい経ちましたかね。
以前にもちょろっと日記に書きましたが、デジカメ写真のRAW現像ソフトです。
 
この半年ちょこちょこ使って、最近ようやく慣れてきました。
このソフトの良い所は、かなり細かいところまで現像パラメータを追い込んでいけることと、RAWデータだけでなくJPEGもほぼ同様にいじくれること。
まあそんなこんなで、製品の特徴は以下のメーカーサイトを見てもらうとして、今回は半年間使ってみたレビューです。
 
<市川ソフトラボラトリー:SILKYPIX
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/
 
最初に大前提として、モニタの色調節をしておかないとこのソフトの意味は全くなくなってしまうという事。このモニタの色調整については、何度か日記にも書きましたが、やはり難しい。でもまあ、そこそこ合えば良しとしましょう。
 
色調整が出来たら、今度は現像ですが、以前書いたとおり、とにかくソフト自体動作が重いです。動作を軽くできるモードもありますが、これすら重いです。このソフトを使い続けるためには、精神的な我慢も必要です(笑)
 
さて、私の使い方の基本はホワイトバランスと露出調整がメインです。
写真を撮る時点で、そもそも水平を出来るだけ取って、かつ白飛びしない程度に露出補正しておくのがポイントですかね。いくらRAW現像で色々出来るといっても、撮影時にかなり気をつけていないと、やはりそれなりの写真にしか現像できません。まあ、当たり前の話ですが。
でもRAWについての日記でも書きましたが、ホワイトバランスはオートのままで、基本的には絞りとシャッタースピードと構図を気にしていればいいので、ある意味楽ではあります。
 
で、このホワイトバランスの調整ですが、SILKYPIXには色々な場面を想定したプリセット(オート、昼光6種類、蛍光灯12種類、白熱灯1種類、フラッシュ3種類)があるので、最初の頃はほとんどこれのどれかを選んで使っていたのですが、最近では、グレーバランスツールというのを使っています。これは写真内の無彩色部分をこのツールで指定することによって、適正なホワイトバランスにしてくれます。これが、結構ドンピシャに合います。
理想的には18%グレーの無彩色をグレーバランスツールで選択するのがベストです。たとえば、被写体を撮る前に、事前にグレーカードをその場でパシャと撮っておけば、それを基準にすることが出来ます。でも、グレーカードなんて持ってないし、構図によって光源が変わったりするので、私の場合はお気楽に写真内にある白のTシャツとか道路のアスファルトでもなんでも、無彩色を選択して調整しています(ちなみにSILKYPIXの背景を18%グレーに設定できるので、これも調整時の参考になります。)
これと似た様な機能で、肌色指定ツールというものがあり、人の肌の部分を選択する事で人の肌として好ましいと思われるホワイトバランスと露出を自動調整してくれます。とはいえ、人それぞれ肌の色は微妙に違うので、常に良い結果が出る訳ではありませんが、何度も試行錯誤をしていれば、結構良い感じに調整できたりします。まあ、大抵はグレーバランスツールでなんとかなります。
また、「色偏差」調整や「暗部調整」といった緑かぶりやマゼンタかぶりを回避する機能も備わっており、これもかなり効果的です。
実は、以前は気にならなかったんですが、MINOLTA A1が、結構緑かぶりしやすいんです。価格comの掲示板で緑かぶりしやすいという記事を見て、そうかなー?と思っていたんですが、RAW現像しだすと確かに緑かぶりしているのがよくわかりました。ある意味、こういうカメラ本体の弱点も修正できるという意味でもRAW現像は良いですね。
もちろん、ホワイトバランスの調整は、その写真の雰囲気(白熱灯下や夕焼けなど)を崩さない程度の調整が理想的だと思います。そういう意味では、室内での暖色系蛍光灯や白熱灯下での撮影は、はっきりいって調整が難しいですね。
 
露出調整に関しては、私の場合もともと白飛びしない程度に撮影している場合が多いので、大抵少し暗めな写真になっています。なので、露出補正と調子機能を使って、写真全体の明るさやコントラストを調整してあげています。
あと被写体が暗くなりすぎている場合は、「調子」のコントラスト、コントラスト中心、ガンマ機能を使って、暗い部分を明るくしてあげたりします。完全に黒つぶれしていなければ、結構明るく出来ます。やりすぎると全体のバランスが崩れますが。。。
また、ハイライトコントローラーという機能の中にダイナミックレンジを広げる機能もあります。これは、明るい部分の階調を圧縮してハイライト表現を行うための機能です。これを利用することで、ハイライト表現の階調を滑らかにしたり、ハイライトのディティールを表現したりすることができます。
この機能を積極的に使用するには、撮影時にハイライト部分を飛ばさない程度にアンダー目に撮影し、プラスの露出補正と併用することで効果を発揮します。とはいえ、完全に白飛びしていたり、きつくハイライトの圧縮を行うと逆に不自然になったりもするので、意外と使い方は難しい印象です。
 
次にホワイトバランスと同様に写真の雰囲気をがらっと変えてしまうのがカラー設定ですが、このプリセットには、記憶色やら美肌色、フィルム調なんてのもあり、写真の意図と合えば結構面白いものが出来ます。
また、彩度の調整もここで出来るので、派手目に調整とか渋い色にというのもここで結構細かくやれます。まあ、派手目にやると結構不自然なんで、やり過ぎは禁物ですが。
 
最後にノイズ処理とシャープネスですが、これもかなり細かいパラメータがあるので、調整し始めると泥沼にはまります(笑)。特にISO感度が高い状態で撮影した場合、かなりのノイズが発生しますが、これを抑えつけようと、無理にやるとのっぺりした写真になってしまうので、なかなかバランスが難しいですね。でもまあ、ある程度プリセットがあるので、それで簡単に済ませてしまっています。
 
とまあ、ここまでやれば、大抵の写真はかなり見栄えよく、綺麗な写真に仕上がります。上記以外にもレンズ収差補正や、ホワイトバランス微調整、ファインカラーコントローラ、デジタルシフトなどユニークな機能も付いており、まだまだ奥の深い調整が山ほどあります。特にレンズ収差補正やデジタルシフト機能を使えば、手持ちレンズでは出来ない表現も別のレンズで撮ったかのような表現まで出来るようになります(まだ、そこまではほとんど試してませんが)。そして、やり方が分かってくると、さらにさらにとエスカレートしていきます。これまた時間が足りない要因になっていきますが。。。
でもまあ、ここまで写真補正が出来るのはホント良いですね。
買ってよかったと思えるソフトです。
 
そして、今日もまた現像現像の日々です。