ストロボ考察その3(バウンスアダプタ編)

今回は、ストロボに付属してきていたバウンスアダプタと呼ばれるものについて。

ストロボの発行部に白いカバーを付けているのを見た事あるでしょうか。
今回のバウンスアダプタとはそれのことです。

<バウンスアダプター SW-13H - その他 | ニコンダイレクト | ニコンイメージング>
http://shop.nikon-image.com/front/ProductFXA10373.do;jsessionid=BE5139D63E0EC60D5C908FA1C157C628

スピードライトSB900の作例集での説明では、「やわらかな光で、自然な肌合いのポートレートを撮る。」とあります。
確かにバウンスアダプタを付ける事により、レンズのどの焦点距離であっても配光がワイドに固定され、光の回り方が増えて、白いアダプタ自身によっても光を柔らかくするというのは、なんとなくそういう気がします。

で、実際どうなのか試してみました。
今回はポートレートでなく、静物ですが傾向はわかるかなーと。

<追記>
今回の考察は天井バウンスにさらにバウンスアダプタというものを付けるとどーなるかというもの。
外部ストロボって、発光部の中にズーム機構が入っていてキセノンランプ部分がストロボ本体内で前後することでレンズの画角に合わせて配光を広げたり狭めたりできます。これによりストロボを被写体に直射するときに無駄無く効率的に光を当てることができます。一方、天井バウンスの場合は間接光にして柔らかな光を被写体に程良く回す為なので、ストロボ光を出来るだけ広範囲に照射して間接光を増やすのが良さそうです。このバウンスアダプタを付けることで、レンズの画角に関係なく配光をワイドに固定し、さらに照射範囲を広げてくれるというもので、レンズの画角で言うと10mmの広角まで対応可能。

写真は全てストロボを上方に向ける天井バウンスによる間接光写真です。



(ストロボ無し)
色空間情報: sRGB
露出補正値: -0.6
露出プログラム: 絞り優先
露出時間: 1 / 60
フラッシュ: ストロボ発光せず
F ナンバー: 2.8
レンズ焦点距離: 30
35 mm 換算レンズ焦点距離: 45
ISO スピードレート: 250
測光方式: 分割測光
ホワイトバランス: ホワイトバランス自動
 


(ストロボ有り:バウンスアダプタ無)
色空間情報: sRGB
露出補正値: -0.6
露出プログラム: 絞り優先
露出時間: 1 / 40
フラッシュ: ストロボ発光、自動発光モード、リターン検出
F ナンバー: 2.8
レンズ焦点距離: 30
35 mm 換算レンズ焦点距離: 45
ISO スピードレート: 100
測光方式: 分割測光
ホワイトバランス: ホワイトバランス自動
 


(ストロボ有り:バウンスアダプタ有)
色空間情報: sRGB
露出補正値: -0.6
露出プログラム: 絞り優先
露出時間: 1 / 40
フラッシュ: ストロボ発光、自動発光モード、リターン検出
F ナンバー: 2.8
レンズ焦点距離: 30
35 mm 換算レンズ焦点距離: 45
ISO スピードレート: 100
測光方式: 分割測光
ホワイトバランス: ホワイトバランス自動
 

1枚目は、ストロボ無し。
まあ、見ての通りです。

2枚目は、ストロボ有りでバウンスアダプタ無し。
ストロボ無しに比べて、光が全体的に回る事によって被写体が明るくなっています。

3枚目は、ストロボ有りでバウンスアダプタ有り。
意外にもアダプタ有りの方が、被写体の後方にストロボによる影が出来てしまい、被写体自体もストロボ光が当たっているのが分かるほど光の反射を感じます。
原因ですが、アダプタを付けることによりそのアダプタ自身が発光体となることで、ストロボ光自体は天井へ向いているものの、アダプタの発光が被写体にも直接当たるという状況になりました。さらに被写体との距離が近いので、それが顕著だったように思います。これにより被写体の後方にストロボによる影も出来てしまい、ストロボ臭くなったのかなと思います。
被写体までの距離が遠くなれば、この影響は少なくなる気はします(試してませんが)。

でも、アダプタを付ける事により、かなり広範囲に光を拡散するということは確かなようです。あと、写真を良く見ればわかりますが、カップのふちに光点が写っているのがわかります。これがまさにアダプタ自身が発光体になっている証拠でもあり、ポートレート撮影では、この発光体がキャッチライト(瞳の中に光点ができることにより被写体が生き生きとなる)の役目もしてくれるようです(実際には壁や天井が発光体となるので、天井や壁の大きなキャッチライトとアダプタの小さなキャッチライトの2光点が期待できます)。

とは言え、被写体までの距離が近いと悪影響を与えるのも分かったので、使い分けが必要みたいですね。


ちなみに、最近集中的にストロボの考察をしているのは、今月22日に義弟の結婚式があるので、それまでにある程度ストロボを使いこなしたいというのがあったりします(^^;
にしても、露出決定のパターンは何となくわかってきたものの、バウンスによる光の回り方などは、その場の状況に大きく左右されるので、ちょっとしたストロボ角度によって、全く別物の写真になってしまい、結婚式などの時間との勝負な場面での使いこなしはかなり難しいなーというのが実感です。
 

ストロボ考察バックナンバー

<ストロボ考察その2(外部ストロボ編)>
http://d.hatena.ne.jp/tadasi-i/20090131/1233493272
<ストロボ考察(内蔵ストロボ編)>
http://d.hatena.ne.jp/tadasi-i/20090115/1232553299