光芒テスト追試

以前、絞りによる点光源の光の形の違いについて書きました。

<絞りによる光の形の違い>
http://d.hatena.ne.jp/tadasi-i/20080813/1218815124

このとき、レンズの絞りを絞っていくほど光芒の筋が長くなるという結論を出しましたが、このときシャッタースピードも絞りに合わせて変化していたので、絞りではなくシャッタースピードによって光芒の形が変化するかも?という疑問もありました。

ということで、追試しました。
結果から言ってしまえば、やっぱり絞りの変化によるものというのが実証できました。

で追試は以下の通り。
まず、クリスマスツリーの電飾をテスト材料にしました。
使った機材は前回と同様。
カメラ:ニコンD40
レンズ:シグマ30mmF1.4
 

 
これをいくつかのパターンで撮影し、電飾部分をトリミングしたのが以下。
 
 

DSC_7688
 シャッター速度:0.625秒
 絞り:F9.0
 焦点距離:30mm
 感度:ISO200
 
 

DSC_7692
 シャッター速度:1/8秒
 絞り:F9.0
 焦点距離:30mm
 感度:ISO1600

この2枚を比較すると(ピンボケはご愛嬌)、絞りと焦点距離を固定としてシャッター速度と感度だけ違います。1枚目に比べ、2枚目のほうが4倍ほどシャッター速度が速いですが、光芒の形は一緒です。

 
 

DSC_7693
 シャッター速度:1/20秒
 絞り:F2.0
 焦点距離:30mm
 感度:ISO200
 
 

DSC_7694
 シャッター速度:1/320
 絞り:F2.0
 焦点距離:30mm
 感度:ISO1600

この2枚も同様に絞りと焦点距離が固定されて、シャッター速度と感度だけ変化しています。これもシャッター速度の変化では光芒の形に変化はありません。最初の2枚と比べると絞りが開放に近いので、光芒の筋が短い。

ということで、以前の日記の結論通り、光芒の形は絞りによって変化するというのが実証できました。やれやれ。
 
 

DSC_7695
 シャッター速度:2.5秒
 絞り: F16.0
 焦点距離:30mm
 感度:ISO200

ちなみに使用したレンズの最大絞り値であるF16で撮影するとこんな感じ。
若干、光芒の筋が伸びたけど、F9と比べてさほど変わらず。
絞り過ぎによる画質の劣化を考えても、F8程度絞れば十分綺麗な光芒になるということですな。
 

そして、絞り羽の枚数による光芒の形の違いも確認してみました。
上の写真のシグマの30mm単焦点レンズの絞り羽の枚数は、8枚の偶数。
http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/30_14.htm

下の写真2枚は、ニコンの18-200mmの高倍率ズームレンズで、絞り羽の枚数は、円形絞りの7枚(奇数)。
http://www.nikon-image.com/jpn/products/lens/dx/zoom/af-s_dx_vr_ed_18-200mmf35_56g_if.htm
 
 

DSC_7703
 シャッター速度:1/10秒
 絞り:F9.0
 焦点距離:31mm(18-200ズームレンズ)
 感度:ISO1600
 
 

DSC_7707
 シャッター速度:0.77秒
 絞り:F25.0
 焦点距離:31mm(18-200ズームレンズ)
 感度:ISO1600

上の2枚の写真のように絞り値をF9と一番絞ったF25であっても、あまり光芒が出来ません。これはいまいち原因は良くわかりませんが、絞り羽の形状が円形となっているのが原因かなと思います。

ちなみに同じ絞り羽枚数が7枚でも円形絞りではない、ニコンの50mm単焦点レンズだとこうなります。
http://www.nikon-image.com/jpn/products/lens/af/singlefocal/normal/ai_af_50mmf14d.htm
 
 

DSC_7716
 シャッター速度:0.625秒
 絞り:F9.0
 焦点距離:50mm(50mm単焦点レンズ)
 感度:ISO200

絞り羽が円形でない、50mm単焦点レンズは、光芒の筋が見えます。
面白いのは、絞り羽枚数が1枚少ない(7枚)だけで、光芒の筋が細かく増えるということです。
また円形であるかそうでないかで、点光源のボケにも変化が現れます。
 
 

DSC_7712(絞り羽:円形)
 シャッター速度:0.625秒
 絞り:F9.0
 焦点距離:130mm(18-200ズームレンズ)
 感度:ISO200

焦点距離が130mmで、ちょっと長いですが、F9まで絞っていても、点光源のマルが角が目立たなく、マルが綺麗です。
 
 

DSC_7714(絞り羽:普通)
 シャッター速度:0.625秒
 絞り:F9.0
 焦点距離:30mm(30mm単焦点レンズ)
 感度:ISO200

一方、絞り羽が普通(直線)の場合は、F9まで絞っていると点光源に角が立ち、どちらかというと、こちらの方が写真やアニメ、漫画で見る様な、ポピュラーな角張った光となります。

以上のように点光源ひとつとってもレンズの構造によって、色々と変化するんですね。面白いもんです。
いずれにせよ、シグマの30mm単焦点(絞り羽8枚)レンズの光芒が、私の持っているレンズの中で一番、美しいという結論に達しました。


いやはや、光って面白いですなぁ♪


(おまけ)

ウチで使っているサーキュレーターの上に浮かべてみました。
なかなか安定しています。空気の流れも奥が深いです(笑)