水力発電気自動車

そういや、今朝のめざましテレビで、水を化学反応させて発電してその電気をバッテリに溜め込む装置を電気自動車に積んで走らせるっていうニュースをやってました。しかも、水1リットルで、時速70〜80kmで1時間程度走れるとか。
もし、これが実用化できる技術であれば、民間どころの話ではなく、国を挙げて取り組む一大プロジェクトにすべきです。それこそネットでの犯行予告に数億円かけて検知するシステム作るお金があるなら、こういう所にお金をかけるべきです。

。。。と思ったのですが、その割にはさらっとニュースは終わり。
はて、ニュースの中でその装置が企業秘密でどうのこうの。
それに、化学反応起こすのはいいとして、それはどうやって?反応起こすためのエネルギーは?
うーん、なんか怪しげな感じ。

で、調べてみました。
まずは、その会社のページ。

<コップ一杯の水が地球を支えるエネルギーに:ジェネパックス
http://www.genepax.co.jp/index.html
「水が生活エネルギーに変わる。発電時のCO2排出はゼロ。
私たちが開発したウォーターエネルギーシステム(WES)は、水から電流を取り出すことを可能にした、新しい発電システムです。」

この会社のページを読む限りは、なんかすごそうです。
未来のエネルギー問題を一挙に解決って感じです。
でもねぇ、水を入れて化学反応起こして、水素電子を取り出して、酸素は捨てて、使った水素電子と残っている水素イオンと空気中の酸素を結合させて、また水を作って、それをまた化学反応起こして(以下ループ)。
永久機関ですか。
それを5分以下のニュースでさらっと流して終わりですか。

うさんくさいにおいがぷんぷんします(笑)
まあ、本当だったいいねぇってことで。


<「水で走る電気自動車」報道から垣間見える、お馬鹿キャラ並に劣化しているマスコミの実態>
http://www.asyura2.com/08/hihyo8/msg/274.html

 
(追記) 
http://otonanokagaku.net/shop/detail/detail0037.html
H-racerって、なかなか面白そうだね。
大人の科学っていう時点で、科学好きとしてはたまらん(笑)

で、今回の水発電自動車の場合だと、ちょっとメカニズムが違うみたい。
H-racerは、太陽電池パネルから電気を取り出し、その電気エネルギーで水を水素と酸素に分解して、分解した水素を水素燃料電池として使用するみたいだね。なので、分解には外部エネルギー(電気)が必要。
一方WESは、金属のようなものを触媒として外部からのエネルギーを必要としないで水を水素と酸素に分解するのがキモらしい。この電気分解した水素を水素燃料電池と同じ理論で、水素と酸素を反応させて電気エネルギーを取り出すみたいだね。そして排出された水を循環してまた使うんだとか。

結局のところ、この手の発明の場合、いかに効率よく電気を発電出来るかってことだよね。太陽電池も自然の力で発電はしてるけど、あまり発電効率は良くないし、太陽電池パネルを作るのに多くのエネルギーを必要としてるっていう時点で効率が悪いよね。

で、今回のWESは、これが近いかなーと。
<水の光分解反応により水素および酸素を製造する装置>
http://www.j-tokkyo.com/2006/C01B/JP2006-089336.shtml
でも、これも欠点が光触媒を稼働させるための光が必要ということ。

やっぱり、そう簡単にはいかないのかねぇ。。。